Apple Inc. や Google Inc. を含む)70万以上のユーザーが利用する、スウェーデンの Web サイト死活監視サービス(停止していないことをチェックする仕組み)です。
は(このサービスを利用すると、あなたの管理する Web サイトが停止した時にメールや SMS などで知らせてくれるようになります。
また、レポート機能や表示速度の分析などの付帯する各種機能も豊富に取り揃えられており、使い方も簡単です。費用が心配ですか?・・・大丈夫。もちろん無料のプランも用意されていますよ!(ただし、基本的に死活監視以外の機能は有料プランでのみの提供となります)
Contents
概要
Pingdom を使えば、死活監視を簡単に取り入れることが出来ます。監視対象ページはシステムに与える負荷を考慮し、なるべく「監視専用のページ」を用意して行いましょう。
また、Web ページの読み込み速度を計測したい場合は、死活監視でそれをカバーしようとするのではなく、リアルユーザーモニタリング(RUM)や Page Speed(表示速度)チェックのように高度な分析が可能なサービスを別途利用した方が良いでしょう。
※本記事では最初にトップページを対象とした監視をスタートし、基本的な動作や設定を学習した上で、最終的に「備考」欄で「監視専用ページ」を用意したり、ページの読み込み速度に関する考察を加えておりますので、是非最後までお読みください。
ユーザー登録
Pingdom のフリープランは通常のトップページからは申し込めないようになっています。まずは Website Monitoring ページを表示し、ユーザー登録を行いましょう。
初期設定
モニタリングの初期設定を行うセットアップ・ウィザードが始まります。画面の指示に従って、各項目を埋めていきましょう。
- 実際の監視対象ページの URL は、後ほど別途指定いたします。
- 名前は日本語でも登録できるかもしれませんが(未確認)、ラベルが英語表記なので、それに順じてローマ字で設定した方が無難でしょう。
- 日本であれば「(GMT +9:00) Tokyo, Seoul, Osaka」を選択ください。
- この画面は監視するサイトの URL として https://techlogue.com/ を入力した場合の表示例です。
- 最終的には、システムに与える負荷を軽減するために、モニタリング専用ページを作ることをお奨めします。詳細は「監視専用ページの作成」をご参照ください。
詳細設定
- 一連の作業を続けて実施している場合は(メニューを選択せずとも)既にこの画面が表示されていることでしょう。
- [Check Interval](監視間隔)をデフォルトの「1分間隔」から「5分間隔(5 minutes)」に変更します。*1 *3
- [When down, alert after](停止検出時の通知タイミング)を「即時(Instantly)」に変更し、画面右下の [Modify check] ボタンをクリックして変更を確定してください。*2 *3
- 監視間隔は1分, 5分, 15分, 30分, 60分の中から選択可能です。ここでは5分に変更しましたが、もちろんその他の間隔にしていただいても構いません。監視間隔を広く取るとそれだけ死活監視の意味は薄れますが、サーバーへの負荷を低減することが可能です。バランスを考慮して設定ください。
- 停止検出時の通知タイミングは、サイト停止を検出した後、即時に通知を送るか、何回か続けて停止を検出するまで遅らせるかを指定する設定項目です。「回数」ではなく「分」で指定するためわかりづらいのですが、監視間隔の値に応じて設定可能な値(分の間隔)は自動的に制限されます。
- いずれにしても、最終的にはモニタリング専用ページを作ることをお奨めします。そのため、ここでは「勉強・理解のため」と(軽い気持ちで)適当な値に設定いただいて構いません。詳細は「監視専用ページの作成」をご参照ください。
監視レポート
しばらくしてある程度の監視データが集まってきたら、監視レポート(グラフ)を見てみましょう。
- このアイコンをクリックするとレポート部の横幅が広くなります。
- レポートの期間を設定可能です。
- このフィルターを使用して、特定の環境(国)からの監視結果のみを表示することも可能です。
- 現在設定されている期間をもとに、その前後の期間(例えば前週や翌週など)を表示するためのボタンです。
- PDF 形式のレポートファイルをダウンロード可能です。
- 監視設定を変更するためのボタンです。
- レスポンスタイムのグラフです。フォーカスすると、ミリ秒単位でレスポンスにかかった時間が表示されます。*1
- 当該期間のダウンタイムとアップタイムの割合が表示されます。
- 上部のタブを切り替えることで、[Uptime changes](稼働状況の遷移をまとめた表)、[Response time log](平均レスポンスタイムをまとめた表)、[Test result log](各レポートの元となる監視データのリスト)をそれぞれご確認いただけます。
- もしあなたが日本でサイトにアクセスしているなら、このレスポンスタイムは実際と比較して「かなり遅い」と感じるでしょう。無料プランではテストサーバーの場所を選べないため、国内でアクセスした場合と比較し、どうしても遅くなってしまうのです。詳細は「死活監視のレスポンスタイム」をご参照ください。
監視と通知の実例
ここでは死活監視がどのように行われているか、Web サーバーのアクセスログを確認してみます。また、実際にサーバーをダウンさせてみて、どのような通知が届くかもチェックしましょう。
[件名] DOWN alert: Techlogue (techlogue.com) is DOWN [差出人] alert@pingdom.com [本文] PingdomAlert DOWN: Techlogue (techlogue.com) is down since 06/01/2017 08:44:04AM.
[件名] UP alert: Techlogue (techlogue.com) is UP [差出人] alert@pingdom.com [本文] PingdomAlert UP: Techlogue (techlogue.com) is UP again at 06/01/2017 08:46:04AM, after 2m of downtime.
- 以前は Twitter の DM 経由で通知を受け取る機能が提供されていましたが、既に廃止されております。
- なお、通知先の削除は下向きの [▼] ボタンから行えます。
プランの比較とその他の機能
Pingdom のプランは以下のようになっております(※有料プランの機能詳細は別途記事にまとめる予定です)。
Free | Starter | Standard | Advanced | |
---|---|---|---|---|
価格(/月)*2 | – | $13.95 | $42.95 | $82.95 |
最大ユーザー数 | 1 | 1 | 1 | 3 |
サポート | オンライン | シルバー*3 | シルバー*3 | シルバー*3 |
Uptime checks*4 (死活監視)対象数 | 1 | 10 | 50 | 80 |
アドバンス監視対象数*5 | – | 1 | 3 | 5 |
Page Speed (表示速度)チェック | – | 30分間隔 | 30分間隔 | 30分間隔 |
Transaction checks*6 (シナリオテスト)間隔 | – | 10分間隔 | 10分間隔 | 10分間隔 |
Real User Monitoring*7 (リアルユーザー監視) | – | 1サイト, 月間10万PV | 5サイト, 月間50万PV | 5サイト, 月間100万PV |
サブドメイン監視 | – | check_circle | check_circle | check_circle |
テストロケーション選択 | – | check_circle | check_circle | check_circle |
SMS 通知可能数(/月) | – | 50 | 250 | 350 |
- その他にも Professional, Enterprise といった上位プランがいくつか用意されています。
- 価格は年間契約時の割引が適用されたものです。また、現在(2017/06/07 時点)は 20% オフのキャンペーンが開催されているようです(あるいはネットで検索すると同様のクーポンコードも見つかるでしょう)。
- オンライン(回答はメールで届きます)対応に加えてチャットでもサポートいただけるプランです。より上位のプランにはゴールドサポートとして電話での問い合わせが出来るものも用意されています。なお、いずれにしても「英語」での問い合わせになりますが、サポートの質は「かなり高い」もので、的確な回答を迅速にいただけることと思います。
- 同一プラン内において、適宜リミットを追加できる Extra Services オプション(月額7.5ドルで5つの死活監視対象を追加可能)も用意されています。
- Page Speed と Transaction checks を「アドバンス監視」と呼び、両者をあわせてこの制限内で監視可能です。また、同一プラン内において、適宜リミットを追加できる Extra Services オプション(月額35ドルで5つのアドバンス監視対象を追加可能)も用意されています。
- フォーム入力などの一連のユーザーオペレーションを確認し、正しい結果が返ってくることをテストするものです。
- リアルユーザーモニタリング(RUM)を使用すると、各ユーザーが実際にページの読み込みにどれだけの時間をかけたかを計測することが出来ます(専用の JavaScript コードをサイトに埋め込む必要があります)。
備考
監視専用ページの作成
Pingdom の死活監視では、JavaScript が実行されないことを除いては、ユーザーが普通にブラウザで閲覧するのと変わらないリクエストが監視都度行われます。そのため、大量の画像が存在するページを監視対象としてしまうと、それなりにサーバーに負荷を与えてしまうことにもつながります。
また、その結果得られたデータは、実際のユーザーアクセス状況に近いものではあるものの、リアルユーザーモニタリング(RUM)や Page Speed(表示速度)チェックのように高度な分析を施せるものではありません(「死活監視のレスポンスタイム」もあわせてご参照ください)。
そこで、サイトへの負荷を低減し、死活監視に最低限必要な「ポーリング」だけをこなせるような、モニタリングの専用ページを作る方法をご紹介いたします。
- 上画面は Windows® 7 環境の WinSCP の例です。
- 新しい死活監視にふさわしい名称を付与してください。
- 今回は1分間隔のチェックとします(システムへの負荷が軽微のため)。
- 監視用ページの URL を入力ください。
- 今回は停止を検出した後、5分後にまだ稼動していない場合に通知メールを送信する設定としました。適宜お好きな値に変更し、画面右下の [Create check] ボタンをクリックして設定を保存してください。
- 新しい監視専用ページの平均レスポンスタイムは 1,278ms *2 です。
- トップページの平均レスポンスタイムは 3,432ms *3 であり、2分程度短縮されたことがわかります。*1 *4
- ここで、この新しい監視ページにはデータベースの処理が含まれていない(単なるWeb サーバーの死活監視である)ことにご注意ください。当ブログは WordPress® を使用していますが、その他のページと同じようにデータベースの処理を踏まえた監視専用ページを作成するには、もう一手間かける必要があります。本件につきましては、別途記事にまとめる予定です。
- 2017/06/09 の24時間の平均値(1分間隔, ダウンタイムなし)
- 2017/06/09 の24時間の平均値(5分間隔, ダウンタイムなし)
- 監視専用ページの効果を確認した上で、従来のトップページの監視設定は削除してしまっても良いでしょう。
死活監視のレスポンスタイム
内容的にほとんど何もない監視専用ページの平均レスポンス時間が 1,278ms とは遅いと感じませんか?これは、Pingdom の無料プランでは「どこから監視を行うか」の設定が出来ず(ランダム)、ヨーロッパなど遠い場所から多くの監視を行ってしまったことによるものです。
有料プランでは監視ロケーションを設定できるため、そこで Asia Pacific に限定することで、より日本のブラウジング環境に近い結果が得られるようになるでしょう。
以下のグラフは有料プラン(Starter Plan)において、監視ロケーションを Asia Pacific *2 に限定した際の、監視専用ページの監視結果です。
- 2017/06/09 の24時間の平均値(1分間隔, ダウンタイムなし)
- なお、[Monitoring] → [Probe servers] の監視サーバー一覧を見る限り、Pingdom の Asia Pacific 環境は、日本, 香港, シンガポール, ソウル, オーストラリアに存在する各サーバーから構成されていると推測されます。そのため、日本単独の測定値(国内において自身のブラウザで閲覧した結果)と比較すると、まだ遅く感じられる結果となっています。ページの表示速度に関してはリアルユーザーモニタリング(RUM)の採用を検討した方が良いでしょう。本件につきましては、別途記事をまとめる予定です。
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